イベント

戦略セミナー
「世界同時不況の今だからこそ企業がすべきこと」要旨

日 時:2009年5月13日(東京)、14日(大阪)
主 催:一橋大学大学院国際企業戦略研究科 ポーター賞運営委員会
協 賛:株式会社大証券グループ本社、KPMGあずさ監査法人
後 援:日本経済新聞社

各講演者の講演内容要旨は以下の通りです。

ご挨拶

一橋大学大学院国際企業戦略研究科研究科長 竹内弘高

多くの方に来ていただき、ポーター賞運営委員を代表しまして御礼申し上げます。
ポーター教授が昨年のポーター賞のために来日した際に行われたインタビューでポーター教授は、今日のテーマについて語っています(日経新聞2008年12月25日)。
詳細はこちら[PDF]をご覧ください。

第一部講演

「社会的価値提供を戦略に統合することで、強力な戦略が生まれる」
ハーバード大学教授 マイケル・E・ポーター

 日本が世界経済の中で台頭したのは、総合的品質管理、リーン生産、経営革新に多くを因っているが、90年代、そして、21世紀が到来し、日本の企業は独自の戦略を持たなければならなくなりました。
 ポーター賞は優れた戦略を持つ企業を選ぶと同時に、戦略を反省するプロセスを企業の中につくることで、戦略的思考を深めるように促してきました。これがポーター賞を創設したときの目的であり、今もそうです。

 戦略的思考の新境地は、企業の戦略に社会的な次元を与えるというものです。健全な戦略には社会的な観点が必要であり、このことは企業の社会的影響に対する人々の関心が強まる中で、ますます重要になっています。

 社会的責任についての現在の考え方、CSRを正当化する根拠は代表的なものが4つあります。
 1つは、道徳的に正しいから。2つめは、持続可能性です。3つめは、企業が操業するための免許です。企業活動がもたらす影響に対して、地域社会やステークホルダーが持つ懸念を払拭する措置はこれに該当します。4つめは、市場や消費者や従業員や従業員になるかもしれない人たちに対し、評判を上げるためです。
これらの根拠の問題は、企業がどう行動すべきか、具体的な指針にならないということです。特にどの分野に関心を持つべきなのか、どれくらい出費すべきか。企業が社会に与えている影響や役割について考える助けになりません。

 では、各企業はどこに焦点を当てて、社会的活動を行うべきなのでしょうか。
ほとんどの場合において、企業が最も効果を上げられるのは、その企業が行う事業と密接に関係した分野であることが分かってきました。自社の専門知識と技術を活用して、効果を上げることができるからです。

 社会をよい方向へ変えると同時に、会社のためにもなる分野の選び方には、私たちは2つのやり方があると考えています。まず1つが、私たちが言うところのイン・サイド・アウト、もう1つがアウト・サイド・インです。
 イン・サイド・アウトは、バリューチェーンのどこで、企業活動が社会問題と接点を持っているのか。その中でもどこが特に重要な接点なのかを探していくのです。これは、会社ごとに異なります。
 もう1つがアウト・サイド・インのアプローチです。事業環境の中にはある特定の企業の長期的な競争力のために特に重要な側面がいくつかあります。例えば、特定の種類のスキルにアクセスできることなど。どの要素が重要なのかは企業ごとに異なります。
 イン・サイド・アウトとアウト・サイド・インのアプローチを使って、企業は社会と意義のあるつながりが見られる分野、社会に対して最も大きなインパクトを与えられる分野を2つ、3つ、4つ選んでいかなくてはなりません。
 こういった社会戦略の種を企業の全体戦略に組み込んでいき、社会的側面を競争戦略に付け加えていかなければなりません。そうすることで、競争優位性につながります。

 これは、私たちが言う、「シェアド・バリュー」、価値共有の例です。会社が社会問題に真剣に取り組むことで、社会のためにも、また、会社のためにもなっているのです。

 競争戦略を考える際、会社の独自性はどう出していったらよいのか。どのような独自の価値を顧客に提供すれば、市場で独自の立場を確立できるのかを考えます。社会的側面を使って戦略の差別化を図っていくことが、戦略への新しいアプローチです。
 しかも、戦略に社会的側面を加えることのできる会社は、より持続的な競争優位性を有していることが多いことが分かってきました。

 どの会社でも長期的成功を収めたいのであれば、いい戦略が必要です。どう独自性を出していくのか、いかに独自の価値を出していくのか、決めなくてはなりません。経済的側面と社会的側面が必要になります。この原則が、みなさんの競争戦略を今までとは違う、クリエーティブな形で見直されるきっかけになることを願います。

 ポーター賞が長年にわたり続いていく中で、皆さん各社のことをもっと学べることを楽しみにしていますし、皆さんの企業が受賞なさることを願っています。このビジョンに関心を持っていただき、ありがとうございます。近々、皆さんと直接お会いできることを楽しみにしています。ありがとうございました。

第二部講演

「日本の経営のあり方~賢慮のリーダーシップ~」
一橋大学名誉教授 野中郁次郎

 本日の私の講演テーマは、「知の卓越性を極める」です。これが、いかなる環境の下でも企業が持続的に成長するための、1つの考え方だということです。では、知のエクセレンスを極めるリーダーシップはどういうものだろうか、ということを提言させていただこうと思います。

 戦略とは未来をつくることです。未来をつくるということは、イノベーションで、突き詰めていくと、新しい知を組織的、持続的につくり続けるということになろうかと思います。
 竹内と私が世界に発信した本のタイトルが、『The Knowledge-Creating Company』です。知を組織的につくるためには暗黙知と形式知を絶えずスパイラルアップしていかなくてはいけない、ということを、「SECIモデル」として世界に発信したわけです。

 直感の気付きを徹底的に言語に変換する。これが「表出化」ということです。さらにそれを徹底的に分析し、スペックに落とし込む。これは「連結化」ということになります。それを実践して、血肉化する。
 極論すれば、イノベーションはまさにSECIスパイラルでして、経験を通じて現実に共感する。まさに「共同化」です。その気付きの本質をコンセプトに表現する。これは「表出化」です。さらにコンセプトを関係付けて、体系化する。これが「連結化」でして、それを技術、商品、ソフト、サービスに具現化して、自己のノウハウ化する。これは「内面化」。と同時に、そこに市場、環境の新たな知をその商品、技術、サービスを投入することによって触発して、再び「共同化」につなげ、このSECIを高速回転化することが創造性と効率性を同時に両立させる知の総合力になる。これを磨き続けていくことが、組織の卓越性になるわけです。
 それには、ビジョン、対話、実践、そして、駆動目標、それを支援する場が必要です。場から次々に知識資産が生まれ、それを絶えず触発しながら、社会、公共、世のため人のために向かって、知を持続的につくり続ける、というのが基本的な知識創造企業の考え方です。

 知識社会というコンセプトを最初に提言したのはピーター・ドラッカーですが、彼は、企業のミッションは顧客の創造、顧客とともに新しい価値をつくり出していくことだと言っています。マイケル・ポーターは、その企業にしか提供できない、ユニークな価値をユニークなやり方で提供せよと言っています。

 では、価値とは何であるか。モノ(thing)ではなくて、コト(event)でとらえることが重要です。
 では、コトとは何であるか。コトはダイナミックな関係性(プロセス)です。関係性によって意味が生まれてくる。コトとは、常に進行していく出来事ですから、顧客に流動性のある物語として感動経験という価値を与えるのです。もちろん、モノは見えるので、モノを媒介としてコトが開かれていくのですが、基本的には世界はホワイトヘッドの言うようにコトから成る、コトの中のモノで見るのが知識創造戦略の考え方です。

 では、持続的にコトをつくり出していくリーダーシップとは何であるのか。
 ビジョン、対話、実践、駆動目標、場、知識資産、環境、これをすべて関係付ける。関係付けて、新しい価値創造に向けて知の総合力を発揮するのは、まさに生き生きとしたダイナミックなプロセスです。
 リーダーには、個別具体のその時々に最適な判断ができる能力、つまり、知恵が必要です。

 ギリシャの哲学者アリストテレスのフロネシスというコンセプトが非常に参考になります。これギリシャ語ですが、日本語は賢慮(プルーデンス)ないし実践的知恵(プラクティカル・ウィズダム)です。共通善(コモングッド)に向かって、知識を磨き磨いて、その場その場の動きの中で判断する実践知です。
 これは非常に高質の暗黙知です。現実は動いており、絶えず矛盾が発生しています。その中でタイムリーなバランシング能力を即興的に発揮できる能力が、フロネシスです。

 フロネシスはどうすれば組織的に育成できるのか。今の段階では6つを考えております。
 第1はよい目的をつくる能力、何がグッドなのか、世のため人のため、そして個人にとって。2番目には場をタイムリーにつくる能力。3番目、現場に入り込んで、そこから背後にある本質を把握する洞察力。4番目が、それをきちっと生き生きとした言葉、コンセプト、ドラマに展開する能力。そして5番目がそれを実現する政治力です。最後に、そういう賢慮を自分1人のものとしてではなく、組織に分散配置、伝承配置する、そして1人の個人の賢慮を組織の賢慮に育て上げる能力。

 会社として何がグッドかという揺るぎないミッションを持ちながら、しかし現実はその場その場で絶えず変化しているわけですから、客観、主観、言語、経験、普遍、個別具体、理想と現実、つまり暗黙知と形式知をスパイラルに回し続ける。対話と実践を媒介に、場を重層的に積み上げていく。こういうリーダーシップが、これからますます要請されていくだろうと思うわけです。

 一言で言えば、知的体育会系(Intellectual Muscle)じゃないか。実践のただ中で深く考え抜く(Contemplation in Action)。これが実践知のリーダーシップではなかろうかと思うわけです。

 今日申し上げました知の卓越性を極める経営というのは、「生き方」の経営なのです。どう生きたいのだという理想を掲げながら、何が本質かということを徹底的に、動きの中で考え抜いていく。利益追求マシンとしてのマネジメントを超えて、経営を、よりよい生き方のプロセスとして、日々錬磨する企業観というのを、我々が竹内とともに現在、世界に発信しているところです。

第三部講演

ポーター賞受賞企業の事例紹介
一橋大学大学院国際企業戦略研究科 准教授 大薗恵美

 世界のグレート・シンカー二人のお話を聞いていただきました。経済学のトレーニングを受けたポーター先生と、社会学および哲学をサブメジャーにされている野中先生は一見水と油のようです。しかし非常に面白いことに、企業のリーダーが出発点に置くべき問いについて、お二人の意見は一致しているように思えます。野中先生は最後に、「経営は生き方の問題だ」とおっしゃっいましたが、ポーター先生もやはり、競争戦略というのは最終的には、「自分たちの会社が何者になりたいのか」ということのユニークさを追求する、それをどうやって企業活動として形にするか、そういう問題だとおっしゃっいました。

 ポーター先生がCSRの話をされたのは意外だった方もおられるかもしれませんが、企業が「どうありたいか」ということが競争戦略の中心にある問いだとすると、そのどうありたいという軸の中に、社会性、社会的価値という価値観がより大きく出てきたのだというメッセージであったかと思います。
 今日の表題であります、世界同時不況の今だからこそ、という話に戻りますと、最初に竹内さんが、ポーター先生と日経新聞上で対話をしたときの話をしてくれましたが、そのときに、「こういうときだからこそ、なかなかやめられなかったことがやめられる」「こういうときだからこそ、なかなかできなかったことができる」とおっしゃったということを話してくれました。しかし、それには注意書きがあります。一律にやめるのではなく、自分たちの競争戦略をコアにして、そこをより際立たせるような形にやめる。あるいは、より強化するように踏み出す。そこには競争戦略がコアにあるのだと思います。

 これから私は、ポーター先生およびポーター賞が考えている「よい戦略」とはどういうものなのか、それをポーター賞ではどうやって審査しているのか、ということをお話します。皆さんが自社の戦略を振り返るときに、どういう手順で振り返ればいいかのご参考になると思います。最後に、これまで26社受賞企業さんが出ておられますが、そういった企業から学べることを簡単にお話しします。

企業の部 事業部の部
2001 ■ 松井証券
■ マブチモーター
■ キャノン レンズ事業部
■ HOYA ビジョンケアカンパニー
2002 ■ 武田薬品工業
■ アスクル
■ オリックス 一般ファイナンス事業部門
2003 ■ スルガ銀行
■ セブン-イレブン ジャパン
■ トレンドマイクロ
■ シマノ バイシクルコンポーネンツ事業部
2004 ■ 大同生命
■ フェニックス電機
2005 ■ 大洋薬品工業
■ バンダイ
■ ベネッセコーポレーション 教育事業グループ
■ 堀場製作所 エンジン計測システム機器事業
2006 ■ ガリバーインターナショナル
■ ブックオフコーポレーション
■ 日本電産 精密小型モータ事業
2007 ■ カイハラ
■ マルホ
■ 良品計画
2008 ■ オイシックス
■ 東海バネ工業
■ マニー

 その前に、ポーター賞をもう少しご紹介したいと思います。
 ポーター賞の目指すところは、「どうやってよりうまくやるか」ということの前に、まず、「何をやるか」というのをもっと意図的にちゃんと決めようということです。HOWじゃなくてWHATをもっと考えようと。
 もう1つは、業界ベストを目指すのではなく、業界ユニークを目指そうと。ベストは、1つの軸の上に並ばされて1番を目指すことですが、軸はいっぱいあっていい。ユニークな軸を打ち立てよう。そういう種類の競争をやってほしい、というのがポーター賞です。

 では、ポーター先生およびポーター賞は、よい競争戦略というのをどういうふうに考えているのか。大変シンプルです。3つありまして、『とてもユニークでクリアな価値提供をしている』、『真似されにくい』、『一貫してコミットしている』、ということです。
 審査で我々がお伺いすることと照らし合わせながら、これを具体的に見ていきたいと思います。
 1次審査、2次審査と、ポーター賞では2段階の審査をさせていただいており、1次審査で中心になってお伺いをするのは、「あなた方は何者ですか」ということを中心にお伺いします。2次になりますと、「それを具体的にどうやって形にしているのか」、ということをお伺いします。


 2007年度の受賞企業で、皆さんよくご存じの無印良品さんの例を使ってご説明をしたいと思います。
 まず、業界平均に対してどれくらい収益性が上回っているか。ポーター先生の考え方の1つに、業界構造がその業界の平均収益性を決めるということがあります。例えば医薬品業界などは、普通にやっていても20%近いか、超えるようなROICが得られることが多い。ところが自動車業界は伝統的に10%ぐらいしかありません。そうすると、絶対値同士で比べても意味がないことになりますので、業界平均に対してどうかを拝見します。

 無印良品さんの場合には、5年間の加重平均を取りまして、投下資本利益率(ROIC)が20.1%ポイント、ROSの場合は3.9%ポイント業界平均を上回っています。ユニークで真似されにくいので消耗戦になりにくくて、結果として、こういう収益性の差が出るのだろうと思われます。

 次に、「ユニークでクリアな価値提供を持っているか。」これが、「あなたは誰ですか」という話です。価値提供を考えるときに、非常に簡単ないくつかの要素のセットで考えます。つまり、誰に対する価値ですか、あなた方のターゲットカスタマーは誰ですか。どういう価値を提供しているか。その価値をどういう製品やサービスを選ぶことによって提供しているか。幅広い製品ラインか、それとも絞り込んだ製品ラインか。サービスは手厚くするのか、ほとんどしないのか。そしてそれをどういう相対的価格で売っていますか。このセットで考えます。

 無印良品さんの場合には、ターゲットとしているお客さんは成熟した消費者です。物が沢山ほしいとか、機能が沢山欲しいという人じゃなくて、そういうものはもう十分持っている、そういう人をターゲットにしています。
 製品は、衣料品、シャンプー、タオル、食器、食品まで売っておられます。これらは、2LDKか3LDKにあるような日用品です。
 提供している価値は、「本質において高品質であって、むだを省いて訳あって安い」ということです。この商品の本質は何かを考え、そこにフォーカスをして、その品質だけは本物でいく、それ以外はいいじゃないか、ということをやるのが、無印良品さんの価値提供です。
 相対的価格は、多くの商品でナショナルブランドを3割下回っているということです。

 次に、「戦略に一貫性があるか」ということです。戦略がふらふらしていると、具体的な活動がつくっていけないですし、お客さんも混乱します。例えば、無印良品は、西友さんがプライベートブランドとして1980年に始めましたが、当時から、メッセージは「訳あって安い」ということで、ずっと一貫しています。

 そして、「戦略を支えるイノベーションがあるか。」何かユニークな戦略をやっているということは、その実現方法において、競合が今までやっていなかったような工夫をしていると思われます。そこで、何かイノベーションが絡んでいますかということをお伺いします。

 無印良品さんの場合は、価値提案そのものがすごくユニークです。ブランド戦略も、すごく有名なデザイナーさんが手伝ってくれても名前を敢えて出さないというように、ユニークです。それから、オープンイノベーションです。コアコンセプトに合った商品アイデアを、いろいろなところから持ってきます。この商品企画もユニークです。

 2次審査では、具体的にどうやっているのか、ということにフォーカスします。例えばバリューチェーンでどこがユニークなのか、ということを伺います。例えば無印良品さんの場合、商品企画のところがすごくユニークです。それから、マーケティングの分野もすごくユニークです。

 次に、すごく具体的な活動のレベル、例えば過剰なPOPを付けないとか、そういうレベルまで落ちていって、いかにやりたいことを実現しているかということを見させていただきます。これが活動システムマップによる分析です。

 最後に、トレードオフをしているか。トレードオフというのは、Aを取ればBを取れないような状態をいかにつくるか。何を「しない」と自分が決めているからトレードオフが強くなる部分があるのです。無印良品さんは、これまでの受賞企業さんの中では最も多いぐらい、「やらない」ことをはっきり決めておられる。

 おさらいをしますと、我々が考えるよい戦略とは、ユニークでクリアな価値提供に始まります。誰に何をどうやって、どういう製品やサービスを提供するか、どういう価値を提供するか。これが、我々はどういう企業でありたいか、何のために事業をやっているかということの、事業における答えになると思います。次に、それがどうやって真似されない仕組みになっているか、ということをお伺いするということです。

 最後に、26のポーター賞受賞企業が出ましたが、そこからの私の7つのメッセージということで、お話したいと思います。

 ポーター賞は、日本を元気にするために、いろいろな方のご協力をいただきながら、我々は手弁当でやっている賞です。皆さん、このプロセスに興味がありましたら、うまく利用してください。どうもありがとうございました。

まとめ

-不況の今だからこそ企業がすべきこと-
一橋大学大学院国際企業戦略研究科研究科長 竹内弘高

 これから後退期の戦略ということでお話をしますが、受賞企業の1社、トレンドマイクロの社長さんと昨夜、食事をしました。今日のテーマにぴったりですので、彼女とどういう会話をしたかをご披露したいと思います。ご本人から許可は得ております。

 ご存じだと思いますが、トレンドマイクロ社はウイルスバスターを出している会社です。エバ・チェンさんは初代CEOのスティーブ・チャンさんの奥様の妹で、現CEO。前はCTO、チーフ・テクノロジー・オフィサーでした。日本で上場していますが、グローバルなマーケットを対象にしていて、アメリカでも非常に強い企業です。業界としてはマイナス成長で、トレンドマイクロ社は赤字ではないのですが、相当減益。

 世界同時不況の今だからこそ、企業は何をすべきか。我々のアドバイスはただ1つ、ポーター賞を応募してください(笑)。これです。そうすると、2次審査までいった企業に、私と大薗の2人で必ずインタビューさせていただきます。

 審査は、匿名の審査員が4人で行います。これは学者先生です。彼らに報告をするのが我々の役目ですが、ポーターもこの議論に参加します。万が一受賞しなかった場合、大薗と私がもう一度お伺いします。そこで、審査員は何を言っていました、ポーター教授は何を言っていましたという、フィードバックをさせていただきます。

 もう1つのベネフィットは、この12月10日、ポーターに会えるということです。応募した企業のために別枠で、ポーターが特別セッションをやります。ということで、世界同時不況の今だからこそ、企業は何をすべきかという問いへの答えは、賞に応募してくださいということです。

 これで今日のこのセッションを終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

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