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受賞企業・事業部レポート

株式会社カカクコム 価格.com事業

2013年度 第13回ポーター賞受賞 価格比較サイト運営

オンライン・サービスでありながら、手間をかけたデータベース作成で価格比較サイトの事業化に成功。徹底して消費者の側に立ちながらも、メーカーや流通にとっても付加価値のある存在に。

 kakaku.jpg株式会社カカクコムの価格.com事業は、パソコンや家電、ブロードバンドや携帯料金などの通信費をはじめとする多様な商品やサービスの価格情報・商品情報・クチコミ情報などを集約して比較可能にするサービスを提供している。月間利用者数4,559万人、月間総ページビュー数9億4,836万ページビュー(2013年10月)で、価格比較サービスの先行者(1997年4月創業)かつ圧倒的リーダー。


ユニークな価値提供

株式会社カカクコムの価格.com事業のターゲット顧客は、ショッピングをしようとしている人々である。性別、年齢、居住地などの観点から見た場合には、非常に幅広い。
価格.com事業がこれらの顧客に提供しているものは、「中立性」および「安全性」の高い情報であり、これによって、人々の、買い物における自立的な選択を可能にするという価値を提供している。中立性の高い情報とは、広告出稿をしているメーカーとそうでないメーカーの商品情報を、それぞれ中立公平に掲載することである。安全性の高い情報とは、掲載する情報のフィルタリングで悪意ある情報を取り除くことや、掲載する小売店の審査を徹底することで可能になっており、サイト利用者が詐欺などの被害に合うことを防ぐことを目的としている。さらにこれらの情報は、サービス利用者である一般の人々の便益を最優先に取捨選択されている。同社ではこの方針を、「ユーザー本位」と呼んでいるが、具体的には、価格の安い順に店舗方法を並べたり、商品に対する厳しいコメントも掲載するなど、価格.com事業の課金対象となる流通業や製造業者の利益に反するように見えるサービスも提供している。
人々の買い物における自立的な選択を可能にするという価値を、同社は以下のように表現している。
「買ってよかった」をすべてのひとに。 
最適なものがみつかる。一番お得な方法で手に入る。誰かに伝えたくなる。
価格.comに広告を掲載する流通業者やメーカーは、価格.comに集まる圧倒的な数の利用者、しかも、購買意欲が高く、購買に至る確率の高い利用者にリーチすることができる。流通業者やメーカーはこれらのユーザーを求めて、広告を出稿したり(第一の収入源)、自社サイトの価格情報・リンクを掲載し、自社サイトへ集客する(第二の収入源、クリック毎に課金される有料サービス)。ニッチに特化した優良な小規模小売業者も低コストで顧客を獲得することができる。
価格.comは、第三の収入源として、ユーザーに直接サービスを提供している。そのサービスとは、インターネット・サービス・プロバイダ(ISP、インターネットへの接続を提供するサービス)や保険の取次であり、ISPや保険の比較サービスの結果、ユーザーが価格.comのサイトから成約した場合に仲介手数料を得ているもので、比較サービスの延長上に位置づけられる。

独自のバリューチェーン

価格.comのバリューチェーンは、製品やサービスの比較の信頼性と使い勝手の良さを改善することを中心に組まれている。
製品・価格情報の蓄積と見せ方: 価格.comは、自社で設定したスキームに則って商品情報をデータベース化している。そうすることによって整理された形で情報が提供でき、ユーザーは比較が容易になる。これは、メーカーや流通業者から受け取った情報をそのまま貼り付ける手法や、インターネットを検索して情報を集めてくる手法に比較して、圧倒的に手間がかかる。
比較可能な整理された情報提示は、ユーザーからの口コミ情報の質改善にもつながる。基本的な情報において混乱がないので、ユーザーからの口コミも自然と整理される。
また、価格.comは、小売業者にソフトウエアを提供し、小売業者が自ら、オンラインで小売価格や在庫情報を入力、アップデートするため、よりリアルタイムに近い小売情報が掲載される。
口コミ情報は、消費者によって投稿される。
価格.comは、類似商品をグループ化することによって、比較をしやすくしている。より詳しいレベルで比較したい消費者には、ドリルダウンできる機能を提供している。
情報の品質管理: 価格.comは、口コミ情報の投稿を24時間モニタリングし、情報の質の維持に努めている。また、小売業者の信頼性も監視しており、時には、現地を訪問する。

活動間のフィット

価格.comの活動システムは、「情報の受け皿を創る」「情報を蓄積する」「情報を取り出しやすくする」を軸に、選択されている(本セクションの最後に掲載した「株式会社カカクコム 価格.com事業 の活動システム・マップ」を参照ください。)

戦略を可能にしたイノベーション

  • 価格.comは、ユーザー生成コンテンツを軸にオンライン・サービスを展開した初期の事業者であった。その中でも、情報の質確保へのこだわりを実践している(例えば、口コミ情報の質確保のために24時間監視)。
  • オンライン・サービスであるが、製品データベースを手作りで作成。消費者による比較を容易にしている。

 

トレードオフ

  • メーカーや流通業者を、消費者の利益よりも優先しない。メーカーや小売業者からの広告を受け付けるようになった後でも、中立的かつ信頼性の高い情報を消費者に提供することを第一義にしている。
  • てっとり速く利益を得ようと思わない。売り上げよりも、利益よりも、まず、より多くの消費者に使ってもらうことを重視。そのために、より多くの、より信頼性の高い、より有益な口コミ情報が集まるよう努める。
  • 消費者を囲い込まない。メンバーシップやポイント制などの戦術を使わない。
  • 特定のキーワードを購入して広告を打つサーチ・エンジン・マーケティング(SEM)などよりも、地道なコンテンツ蓄積による検索エンジン最適化(SEO)を重視している。
  • 少数精鋭で、比較サイトの運営に特化する。市場情報が集まるが、それを利用したコンサルティング業務などは手掛けない。

 

戦略の一貫性

価格.comは創業当初より、「ユーザー本位」、すなわち、一見企業顧客の利益を害する情報でも提供することで、多くのユーザーから支持を得、短期的には企業顧客からの収益機会を逸する時期を経ながらも、長期的には企業顧客からサービスの価値を認められ、企業顧客から報酬を得ることを可能にするサービスの形態を貫いている。価格.comの創業当初は、PCの価格情報や口コミ情報を掲載し、小売店やメーカーに嫌がられる存在となったが、多くのユーザーが価格.comの価格情報を参考にPCを買うようになった結果、数年をかけて徐々に価格.comのサービスを評価する小売店やメーカーが増えた。

収益性

投下資本利益率、営業利益率ともに業界平均を一貫して大きく上回っている。
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活動システム・マップ


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第17回 ポーター賞 応募期間

2017年5月 8日(月)〜 6月 5日(月)
上記応募期間中に応募用紙をお送りください。
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