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授賞式・セミナー

セッション「日本企業の取組、機会と課題」

プレゼンテーション

コマツ取締役兼専務執行役員ICTソリューション本部長 黒本和憲 様

"コマツのIoT時代への取組"

プレゼンテーション コマツ取締役兼専務執行役員ICTソリューション本部長 黒本和憲 様 コマツは差別化戦略を、商品、サービス、ソリューションと積み上げてきました。商品の性能で差別化する戦略に、建設機械の稼働を見える化し、保守を最適化し、使い方の改善を提案するサービスを加え、コムトラックスを15年前に標準装備しました。

ソリューションは、8年前に鉱山ダンプの無人化、現在は建設機械の知能化とコムコネクトによる土木施工の見える化を進めており、これがスマートコンストラクションです。
サービスは建設機械のバリューチェーンの中にありクローズドなプラットフォームですが、ソリューションは、お客様の課題解決を目指すのでお客様のバリューチェーンに沿っているためオープンなものです。
いずれにおいてもお客様との接点である代理店が鍵を握ります。製品の販売という取引から、コマツでなければ困る関係性へ進化すべきであり、代理店には、顧客企業のミッション、ビジョン、ゴールを理解し、その成功を助けることにコミットするよう求め、コマツは全社でそれをサポートします。

コマツは、顧客起点のシステム開発とマインドセットの転換を車の両輪として、スマート・コネクティッド・プロダクツに向かっています。

コマツのIoT時代への取組
※この内容は2016年12月24日付 日本経済新聞掲載の広告を基に構成しています。

ディスカッション

ハーバード大学 ユニバーシティ・プロフェッサー マイケル・E・ポーター教授
コマツ取締役兼専務執行役員ICTソリューション本部長 黒本和憲 様
ファシリテーション:一橋大学大学院 准教授 藤川佳則
ディスカッション ハーバード大学 ユニバーシティ・プロフェッサー マイケル・E・ポーター教授、コマツ取締役兼専務執行役員ICTソリューション本部長 黒本和憲 様、ファシリテーション:一橋大学大学院 准教授 藤川佳則

"日本企業の取組、機会と課題"

藤川
ポーター先生のお話はこのようなものでした。スマート・コネクティッド・プロダクツが企業、競争戦略にどのような影響を与えるのか。第3世代の変化が起こっており、どのようなフレームワーク、コンセプトで未来を捉えるのかを考え直そう。業界構造の捉え方を考え直さなければいけない。企業活動の仕組みであるバリューチェーンも拡張する必要がある。
黒本さんも、企業のバリューチェーンと顧客のバリューチェーンが交差し、そこに新たな価値が作られている、とお話されていました。
今までのバリューチェーンは、企業側のクローズなシステムであり、販売以降の消費者行動とは分離されていましたが、スマート・コネクティッド・プロダクツにより、バリューチェーンが販売で終わらず繋がっていくという考え方です。
ポーター先生と黒本さんにお聞きしたいのは、業界の垣根がなくなっていく、ということです。黒本さんにまずお聞きしますが、コマツは何業と考えておられますか。
ポーター先生には、戦略論では業界を定義することからスタートしますが、業界定義自体が難しくなっていく。どのように業界をとらえればよいかアドバイスいただきたいと思います。
黒本
コマツは製造業という範囲は越えています。サービス業であり、これからはAR、AIがバリューのコアになってきますからIT業にもならなければならない。業界の範囲をとらえるのは難しくなっていますが、我々がいつも意識しているのは、顧客は鉱山業者であり土木施工業者であるということで、そのことを見失わなければどのような業界と呼ばれても良いのであって、鉱山ビジネスサポート業界と捉えれば、コマツの業界はクリアなままであると思っています。
藤川
ポーター先生、ファイブフォース分析の前提となる業界の定義が難しくなるのではないでしょうか。
ポーター
平均収益性やどのような競争になるかを業界構造が定義するという競争の原則は変わりません。
SCPでは他の製品、情報とつながることで生まれる機会があり、単に情報をやり取りして調整する以上のシナジーが生まれる時には業界の範囲に大きな変化が起こります。
バリューチェーンに含まれる機能は変わらないが、どのようなやり方をするかの選択肢が広がり、やり方は変わるでしょう。何十年も同じやり方をしてきた企業が、新しい選択をする必要に迫られます。
藤川
原理、論理は変わらないが、選択肢が増えてくるので、それをどのように組み合わせていくのかが戦略の本質になるのだろう、と理解しました。
黒本さん、ポーター先生のお話ではバリューチェーンが変わるということでしたが、バリューチェーンが変われば組織構造、仕事の仕方、お客様とのやりとりなど、人の行動が変わらなければいけません。日本企業では人の入替えは簡単には行えませんが、どこから始めてどのように進めるのか、コマツの場合は如何でしょうか。
黒本
コマツにICT部門が二つあります。一つは社内向けの情報戦略本部、もう一つはお客様、特に代理店を向いたICTソリューション本部です。この2つが同期しないと、先ほど説明しました三つのダントツは回りません。ブランド・マネジメント活動が我々の柱になっていて、世界中から出てくる要求を見ながら、開発部門、マーケティング部門、サポート部門、ファイナンス部門をアラインする。この形を5年、10年続けることにより変化に適応した組織が少しずつできてくると考えています。コマツは固い製造業であって、急には変われません。(製造業の部分での)急激な変化はビジネスの根幹を揺るがす事態を招くリスクがあります。
藤川
ポーター先生にお聞きします。日本企業は大きく人を入れ替えることが労働慣行的に難しいと言われていますが、SCPに対応するための組織変革をスピーディに進めるにはどうしたらよいのかご意見をください。
ポーター
人と組織の変革は、日本の企業にとって最も大きな課題になるでしょう。ITとR&Dの境界があいまいになり、ソフトウェアのエンジニアが製品開発に参加することが必要になり、データを解釈するためにはデータ・サイエンティストも必要です。日本企業には素晴らしい基盤がありますが、この技術を生かすためには、不足しているスキルセットと、変化に抵抗する部分の問題を克服しなければなりません。
藤川
先ほど、ポーター先生のお話の中で、これから、ポーター賞の受賞企業にスマート・コネクティッド・プロダクツを活用した企業が増えるだろうとありましたが、ポーター賞の評価が益々難しくなっていき、ポーター賞自体も進化する必要があるかもしれません。
最後に、未来のポーター賞受賞企業に向けたメッセージをお願いします。
黒本
SCPは大きなトレンドで間違いない。早くこの波に乗って邁進されることを望みます。
ポーター
成功する企業は変化を機会と捉え、失敗する企業は変化を問題と考える。世界をSCPのレンズで見れば新しい機会が見えてきます。

※この内容は2016年12月24日付 日本経済新聞掲載の広告を基に構成しています。

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第17回 ポーター賞 応募期間

2017年5月 8日(月)〜 6月 5日(月)
上記応募期間中に応募用紙をお送りください。
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