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受賞式・カンファレンス

受賞企業インタビュー

インタビュワー:一橋大学大学院国際企業戦略研究科 教授 大薗恵美

株式会社ネットプロテクションズ
代表取締役 CEO 柴田紳 様

株式会社ネットプロテクションズ

後払い決済サービスの生む価値

大薗
ネットプロテクションズは、後払い決済サービスを提供しています。個人がショッピングする場合に利用するB to C領域のほか、B to B領域でも後払いサービスを提供しています。例えばラーメン屋さん等の個人事業主を顧客に持つ企業の売掛金の請求・回収に利用されています。
今日はB to Cにおけるサービスについてお話を聞かせていただきます。簡単にしくみを紹介します。お客様がネットショピングをする、支払方法で後払いを選ぶ、売り主からネットプロテクションズに情報を送る、ネットプロテクションズが与信を了解する、取引が成立し商品が送られる、ネットプロテクションズがお客様に請求書を送付する、お客様がネットプロテクションズに支払を行う。
利用者は、30代、40代が多く、必ずしも「クレジットカードが使えない方」というわけではありません。通販で、商品を見てから支払いたい、という意向をもっている方が利用していると認識しています。
株式会社ネットプロテクションズ 代表取締役 CEO 柴田紳 様
柴田
利用者は女性が7割を占めており、カタログ通販に慣れている方が、そのまま後払いを使っているケースが多いと考えています。また、利用端末はPCとタブレットが半々になっていますが、これはEC市場全体がそのような状態にあるためと考えています。
大薗
スマホで買い物をする際、毎回クレジット番号を入れることが躊躇されることがあるように思いますが、これも後払いサービスを利用する理由でしょうか。
柴田
そう思います。電車の中でECを利用しようとした場合、クレジットカードを取り出すことに躊躇するため、その場合は後払いを使用すると考えています。
大薗
通販会社が後払いサービスを御社にアウトソースするのは、多くの需要があると思いますが、業績の伸びを見ると、それ以外にも何か要因がありますか。
柴田
ECにおいて、後払いサービスを提供している会社、提供していない会社があります。当社は、まず後払いサービスを提供していない会社を対象にアプローチし拡大していきました。実は、そのようにして事業が拡大すると、取引データが蓄積され、未収コストと運用コストが下がりました。当初は、既に後払いサービスを自社で提供している会社からは受注できなかったのですが、取引データの蓄積、コスト低減により、そうした会社の要望にも見合うサービス品質を担保可能となり、受注できるようになりました。もう一つ、社会が変わったことがあります。労働人口が減り、つまらない仕事、付加価値の少ない仕事に人が集まりにくくなっています。後払いサービスの提供、管理は、このつまらない仕事にあたりますので、自社で後払いサービスを維持できなくなっている会社が増えています。低コストで、信頼性があり、人材のアロケーションもできることが評価されていると感じます。今急激に業績が拡大しているのは、自社後払いからの受注が一番の要因です。
大薗
自社で後払いサービスを提供してきた会社は、アウトソースしたとしても、それまでのお客様との関係からいろいろな要望があると思いますが、いかがですか。
柴田
その通り、厳しい要求がありますが、対応させていただいております。それができるのも、長年のデータ・ノウハウの蓄積に寄るものです。

信用リスク管理

大薗
御社で注目すべき点は、貸倒率の低さです。どのように管理しているのですか。
柴田
現在、月間利用者数は300万人以上ですが、与信の取り方は16年前の創業時と同じで、2つのルールで運用しています。一つは、大数の法則なのですが、人数が増えれば貸倒率は理論値に収れんすると予測され、ある月に突然貸倒率が上がるようなことは起こりません。もう一つは、リピーターの法則で、データクレンジングと言っても良いと思いますが、初めての利用者の審査は難しいので、まずは受け入れてしまい、支払が滞れば次はお断りしますので、キチンとお支払いただいた方がリピーターになります。事業を継続することによりリピーターの割合が増え、貸倒率は低減していきます。当初は不安がありましたが、予測通りに進んでいます。
大薗
フェデックスやアマゾンと同じ様に、新しい事業を進める際の構想力と、リスクを予想しながらも推進する勇気を感じます。
柴田
始めた頃、自信はありましたが、回りから懐疑的な見方をされていたので不安を抱きながら進めていました。

一人当たりの生産性

大薗
御社の座席数を見ると全部で330席あるうち社員は109、その他は業務委託、派遣社員、パートタイムの方です。また、カスタマーサービス、システム開発、セールス等をアウトソーシングしています。御社は、一人あたりの生産性を重視する組織を作っていますが、このような社員以外のパートナーの存在が大きいように思いますが、いかがですか。
柴田
決済事業なので、事業の拡大に合わせ運用業務が増えました。当然に運用業務を担当する人材が増え、それによりマネジメントの難易度が上がりました。リーダーシップを発揮して業務を進める者と、運用を頑張る者は、求めるものも異なり、マネジメントに苦労するようになりました。社会全体の中で後払いサービスを当社が担うように、社員は、企画、マネジメント、リーダーシップや思考力が必要な業務のみに特化し、運用については、それを得意とする会社に委託することにしました。その結果が座席数に表れています。一方で、109名の社員のうち7割が新卒で平均年齢28歳であり、若い社員にこのような形態で仕事をさせ、成果も出していくためには、彼らを主役にする必要がありました。そのために、若い社員が主役となり、経営者は黒子に徹し下から支える構造を作ってきました。例えば、社長には人事権はなく、配属、異動、プロジェクト参加は社員本人が決めています。意欲、能力がある若者は主役にしないと動かなくなり、生産性を上げるというよりは、社員がやりたいこと、成りたい形を応援している、と言った方が合っています。

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第18回 ポーター賞 応募期間

2018年5月 7日(月)〜 6月 4日(月)
上記応募期間中に応募用紙をお送りください。
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