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受賞式・カンファレンス

受賞企業インタビュー

インタビュワー:一橋大学大学院国際企業戦略研究科 教授 大薗恵美

株式会社プロシップ
代表取締役社長 川久保真由美 様

株式会社プロシップ

固定資産管理パッケージソフト 市場創造

大薗
プロシップは固定資産管理ソフトで高い業績を上げていますが、商品は「ProPlus」で4,656社が導入しており、顧客はあらゆる業種に広がっています。ポーター賞で収益性指標として用いているROIC(投下資本利益率)、ROS(営業利益率)を見ると、過去5年間の平均で業界平均をROICで9.8%、ROSで23.5%上回っています。何故高収益を続けられるのか。日本のソフトウエア業界は、システムインテグレーターがクライアントからの受注を受け、ソフトウエア制作会社は下請けとなり利益が少なく、それによって日本のソフトウエア・エンジニアは待遇も良くなく優秀な人材も少ない、と言われています。その点プロシップは、大手企業を顧客とし、日本では売れないと言われているパッケージソフトで好業績を出している。
同業他社は何故固定資産管理ソフトに手を付けなかったのか、何故、御社を取り組もうとしたのか教えてください。
株式会社プロシップ 代表取締役社長 川久保真由美 様
川久保
固定資産分野に特化して35年以上になります。固定資産管理システムはERP(統合基幹業務システム)市場と比べ市場規模が小さいと言われています。大手企業は多くの固定資産を保有していてその管理は大変複雑であり、さらに税制の変更、会計制度の変更、管理会計の変更があると膨大な変更が必要となります。そのため、固定資産管理システムは、「手間と時間がかかるわりには市場が小さく収益に繋がらない」と、他社では見られていたと思います。当社はそこに着目し、他社ではやりたがらなかった固定資産分野でビジネスを塑像できると判断し、固定資産管理パッケージソフトの開発販売を始めました。個社ごとに対応すると「手間と時間がかかる」ことを解消できませんが、業種、業態によっては共通事項がいくつもあり、それをストック化することにより手間と時間の軽減が可能になりました。

トレードオフ

大薗
御社は明確なトレードオフをしています。「市場規模の大きいERPパッケージのような統合型ソフトウエアは手掛けないが、ERP会社とは緩やかな連携を取る」、「中小企業をターゲット顧客としない」、「導入サービスに掛かる労働力が成長戦略のボトルネックとなる可能性があるかもしれないが、導入サービスを委託しない。」という判断をしています。成長とともに様々な誘惑があったと思いますが、どのように判断したのでしょうか。
川久保
当社はライセンス型ビジネスであるので、ライセンス契約はお客様と直接結び、導入および保守も自分でやることに意味があると思っています。2000年頃から日本基準を国際会計基準に合わせる動きが始まり、以降毎年のように会計基準が変わりシステムを改訂しました。その頃、多くのシステムインテグレーターや大手パッケージベンダーが声をかけてきました。パッケージベンダーからは固定資産部分のOEMでの提供、中小企業を得意先としているベンダーからは業務提携の話です。しかし、中小企業向け固定資産管理ソフトはそれほどの専門性が必要ないものですので、先方からすれば我々の顧客基盤に魅力があったのでしょうが、中小企業向けでは価値は提供できないと判断しました。当社の専門力が生かされ、更に磨きがかかるのは、顧客は大手企業であることと、固定資産管理分野に特化することの2軸で判断してきました。
大薗
魅力的な申し入れもあったと思いますが、軸が明確だと簡単に判断できるのでしょうか。
川久保
お客様のためになる、ライセンス型ストック型のビジネスモデルを崩さない、の2点に反するものは即決です。導入・保守を他社に委託しないのは、それが当社の専門力を更に向上させる機会であり、また、お客様との関係も深まるからです。
大薗
下請けを積極的に活用するIT業界において、すべて内部化してフィードバック・ループを回すのは、大変ユニークです。
川久保
全てを内部化すればスピード感がでますので、お客様が求めているものが速やかに届くというメリットがあります。

今後の成長

大薗
今後の展開はどのように考えていますか。
川久保
お客様から固定資産の周辺領域、たとえば設備の予算・管理・保全、店舗資材の購入・在庫管理等、固定資産に関わるライフサイクルを一気通貫で管理できる仕組みのご要望をいただいており、固定資産に関する専門力の幅を広げようと考えています。海外市場についても、お客様から、統一したシステム基盤でグローバルの固定資産を一元的に管理したい、とのご要望をいただき、現在は24カ国の税制対応を標準装備しています。
大薗
技術面では固定資産の周辺領域に広げ、地理的にはグローバルに広げていく展開ですね。
川久保
世界中の市場と顧客に専門性を届ける、という思いで取り組んでいます。

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