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2026/10/20 お知らせ

2026年度 ポーター賞受賞企業・事業の発表

2026年度ポーター賞は、次の4企業・事業に決定しました。
コメントは受賞理由の要約です。


株式会社アシックス

株式会社アシックスは、「運動を通じた心身の健康」づくりに貢献することを目指し、パフォーマンスの発揮と故障なく快適に動き続けることの両方に最適な高機能・高付加価値シューズとアパレルを提供している。「一人ひとりの身体に機能で応える」という製品開発方針があり、その結果、商品ラインは幅広い。
この戦略を可能にしているのが、人間の身体や動きのデータを科学的に分析する「ヒューマンセントリックサイエンス」、機能・構造・デザイン・素材を高度に組み合わせる製品設計力、カテゴリーごとに企画・生産・販売・マーケティングまでを担当しカテゴリーの損益責任を負う「カテゴリー経営体制」、グローバルに需要予測を行い、生産・販売計画を管理できる経営情報システムなどだ。また、ランナーに対しては、会員基盤と、レース登録からレース本番、大会後までの様々なコミュニケーションを通じて継続的に接点を創り出しており、顧客理解を進めると同時に、顧客ロイヤリティ創出につなげている。
2018年以降の経営改革では、KPIを売上から利益・資本効率へ転換。高付加価値製品や製品価値訴求に適切な販売チャネルへの更なる集中、強みを生かしにくい低収益事業の売却・再編を進めた結果、業界比高い収益性を実現している。


株式会社ソラコム

株式会社ソラコムは、IoTデータ通信に特化したプラットフォームを提供している。同社は、「IoTの民主化」をミッションに掲げており、そのサービスは小規模からでも使いやすいのが特徴だ。つまり、SIM1枚から契約でき、データ通信量に応じた従量課金で、少ない初期投資でスタートし、事業の成長に応じてスケールでき、2026年7月には契約回線は1,000万に達した。また、同社のシステムは、200以上の国と地域、550を超えるキャリアネットワークで利用可能であり、顧客がサービスを海外に展開する際の障壁の一つを取り除き、また、海外顧客の獲得を可能にしている。
小規模な契約に低価格で対応できるこのような料金体系が可能なのは、センサーや通信モジュールといったデバイス、セルラー通信(SIM)・衛星通信・Wi-Fi・有線などのコネクティビティ、リモート制御・AIデータ処理・IoT自動化などのクラウドサービスなどをモジュール構造の標準サービスとして業種横断的に提供する事による開発効率の高さと、顧客がモジュールを自らにあわせて組み合わせをするセルフサービス方式による。また、従来であればハードウエアで実装される通信コアネットワークをクラウド上にソフトウエアで構築したことも、同社の固定費比率を下げ、低単価の設定を可能にした。ハードウエアが関与しないシステムはまた、速い開発スピードを可能にしている。
これらの技術は、100以上の特許に支えられており、また、同社のサービス導入を支援するユーザーコミュニティにおける事例の蓄積と相まって、模倣困難性に貢献している。


TDK株式会社 磁気センサビジネスグループ

TDK株式会社 磁気センサビジネスグループの磁気センサーは、小型で低消費電力、高い精度を持ち、高ノイズ下での高感度、振動、温度変化や高磁場に対する堅牢性など、過酷な状況でも高いパフォーマンスを発揮し、長期信頼性も有する点で他の追随を許していない。同社はさらに、磁気センサー単体で販売するのでなく、磁気センサーに自社開発の専用集積回路と高度なソフトウエアアルゴリズムを融合させ、ソリューションを提供する。同事業はこの特長を活かし、故障や誤差が許されないミッションクリティカルな領域、特に、車載分野、産業機械・ロボティクス分野、スマートフォン向け高度アプリケーション分野に高付加価値ソリューションを提供することに特化し、低価格な汎用品市場をトレードオフしている。
同社の磁気センサー事業の成功は、HDDヘッド事業で培った技術と人材をうまく活かしている。HDDヘッド事業で育成してきた、磁性薄膜技術や超精密加工プロセス技術に精通した人材をTMR(トンネル磁気抵抗)センサーの開発・製造に活用することで、新規設備投資を抑制しつつ、従来品よりも高感度・高精度のセンサーの安定供給体制を極めて短期間で構築することができた。さらに、M&Aによって周辺技術を獲得し、ソリューションとして提供できる体制を整えることに成功した。
注:磁気センサーとは磁気技術を応用したセンサーであり、磁気コンパスや角度センサー、電流センサーなどに活用される。


中外製薬株式会社

中外製薬株式会社は、「世界最高水準の創薬の実現」を戦略のコアに据え、自社は研究と早期開発に集中し、グローバル後期開発はロシュの基盤を活用する分業モデルを採用している。同社の研究開発戦略は、疾患ではなく技術を起点に創薬を行う「技術ドリブン創薬」を特長とし、従来の低分子創薬に加えて抗体医薬や中分子創薬を技術プラットフォームとして持ち、既存治療の延長線上にない革新的な治療薬を生み出すことに成功してきた。ロシュは同社株式の59.9%を所有している。中外は日本、ロシュは海外において、互いの創製品の開発・販売の第一選択権を有する。日本国内における販売ならびに、ロシュによる中外品の海外市場における販売からの対価は、中外の研究開発投資の原資となっている。この豊富な研究資金に、技術プラットフォームの選択、早期開発力、製法開発力、再投資規律などが組み合わさって高い創薬実績とともに、結果として高い収益性を実現している。

第26回 ポーター賞 応募期間

2026年5月 7日(木)〜 6月 3日(水)
上記応募期間中に応募用紙をお送りください。
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