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受賞企業・事業部レポート

松井証券株式会社

2001年度 第01回ポーター賞受賞 証券業
「何をしないか」の選択と個人の信用取引への特化

トレードオフ

松井証券の競争戦略で特筆すべきは、そのトレードオフの明確さにある。トレードオフは、一方を得るためには他方をあきらめねばならないような関係を意味する。つまり、トレードオフとは、何をして何をしないか、の選択を意味する。松井証券が選択したのは、取引経験が豊富な個人というターゲット顧客であり、個人の株式取引(特に信用取引)というサービスである。しないことにしたのは、法人や経験の浅いアドバイスを必要とする個人であり、株式投信、ミニ株・累投、MMFなどに関するサービスである。これらの顧客やサービスを選ばないことに決めたことによって、松井証券は他の多くのことを「しない」選択をすることが可能になった。それは、営業店であり、営業マンであり、コンサルテーションなどの附帯サービスであり、更にはコールセンターである。松井証券にとってなぜこれらが必要ないかは明白である。コールセンターに移行した際には営業店と営業マンを廃し、オンライン取引の移行に際しては、コールセンターも廃する。これらをしないことで、松井証券はフルラインの証券業者とは比較にならない低コスト構造を構築した。また、個人の信用取引に特化することで、その実行に必要なシステムを開発し、取引の実行部分と資産残高などの情報提供をシステムで行なうことを可能にした。3000円のボックスレートという低価格は、その結果可能になっている。松井証券の投下資本利益率、営業利益率は証券業界の平均を大幅に上回り、その差は年々拡大している。

ユニークな価値提供

松井証券はフルラインの証券業とは明確な差別化をしている。では、オンライン証券の中で松井証券が圧倒的にリーダーとしてのポジションを確立しているのは、なぜだろうか。松井証券は、信用取引で業界トップ、オンライン証券におけるシェア1位を維持している。それは、オンライン証券他社とは異なったターゲット顧客へ、他社が提供できないユニークな価値を提供しているからである。松井証券のターゲット顧客は、40‐60代のアクティブに株式を売買する顧客である。また、松井証券が提供しているユニークな価値とは、インターネット取引の利便性や3000円のボックスレートという低価格に加えて、充実した客観情報である。信用取引というリスクを伴う複雑な取引を、ルールを厳格にし、ルールをシステムに組み込むことで、顧客にとってのリスク管理を容易にしている。松井証券は80年の歴史を持つ証券会社であるが、日本の個人投資家の投資行動と証券市場に関する知識がこれらの活動を支えている。(これらの活動間の関係については「活動システム・マップ」を参照)。

投下資本利益率(ROIC)   (単位:%P=パーセンテージ・ポイント)
4年間平均 単年度 業界平均との差異
業界平均との差異 1997年 1998年 1999年 2000年
18.45%P 7.74%P 9.34%P 28.57%P 29.67%P
投下資本利益率=営業利益/平均投下資本

営業利益率(ROS)   (単位:%P=パーセンテージ・ポイント)
4年間平均 単年度 業界平均との差異
業界平均との差異 1997年 1998年 1999年 2000年
20.13%P 21.96%P 22.59%P 10.19%P 37.94%P
営業利益率=営業利益/売上高

活動システム・マップ

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第17回 ポーター賞 応募期間

2017年5月 8日(月)〜 6月 5日(月)
上記応募期間中に応募用紙をお送りください。
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