ポーター賞とは

ポーター賞は、製品、プロセス、経営手腕においてイノベーションを起こし、これを土台として独自性がある戦略を実行し、その結果として業界において高い収益性を達成・維持している企業を表彰するため、2001年7月に創設しました。
名前は、ハーバード大学のマイケル E. ポーター名誉教授に由来しています。

ポーター賞の目的

ポーター賞は、日本企業の競争力を向上させることを目的とし、そのために優れた日本企業を表彰するのです。日本企業は70年代と 80年代における全社的品質管理(TQC)や継続的改善(カイゼン)運動を始めとして、世界における業務の効率化競争において、長年にわたりコストと品質面における優位を享受してきました。しかし、近年、この競争モデルには限界があることが、より一層明らかになりつつあります。日本企業は、品質による競争に留まるのでなく、戦略とイノベーションによる競争に移行するべきです。日本が競争力を取り戻すためには、日本企業は真の収益性をもたらすような独自性のある戦略を作り上げるべきなのです。

1950年代以降、日本は低価格だけで競争することをやめ、品質で競争するようになりました。それは、1951年に日本科学技術連盟(JUSE)がデミング賞を創設したことによって全国的な品質運動が始まった結果でした。50年前にデミング賞が日本で品質に対する全国的な運動を始めたように、ポーター賞により、戦略という新しい運動が日本企業に広まることを目指しています。

ポーター教授

ポーター教授 ポーター教授は競争戦略論と国際競争力研究の第一人者であり、19冊の本、125以上の論文を発表しています。ポーター教授の戦略論に関する主な著作には、 Competitive Strategy: Techniques for Analyzing Industries and Competitors(1980年『競争の戦略』ダイヤモンド社)、The Competitive Advantage of Nations(1990年『国の競争優位』ダイヤモンド社)、Can Japan Compete? (2000年『日本の競争戦略』ダイヤモンド社)等があります。

ポーター教授は米国はじめ様々な国々で多くの企業や政府機関のアドバイザーとして活動しています。また、22の名誉学位を始めとして、教育と研究の両面において多くの賞を与えられています。

ポーター教授と一橋大学の関係

ポーター教授と一橋大学の関係は1980年代前半に遡ります。
1990年に The Competitive Advantage of Nations(The Free Press『国の競争優位』ダイヤモンド社)として出版されることになる大規模な研究調査の一貫として、日本についての共同研究を行いました。また、 Can Japan Compete? (2000年『日本の競争戦略』ダイヤモンド社)のためにも、一橋大学との共同研究が行いました。同書は日本経済の奇跡の源泉について長い間信じられてきた説に異論を唱え、戦略に基づいた競争という、将来に向けての新しい路を示しました。同書は一橋大学の竹内弘高教授(当時、現名誉教授)との共著であり、英エコノミスト誌の選んだ2000 年ノンフィクション本の上位3冊に選ばれています。

ポーター賞はどのようにして作られたか

一橋大学が2000年に新しく開設した大学院、国際企業戦略研究科の開校記念式典に、20年来の関係を持つポーター教授が招かれました。ポーター教授はこの年、一橋大学のために2度の来日をしています。一度は、4月に国際企業戦略研究科が日本語で夜間に行なうプログラムが開校する際に、二度目は10月に英語で昼間に行なうプログラムが開校する際です。ポーター教授は、基調講演の他にも、様々な活動を共にするために多くの時間を善意で提供してくださいました。そのポーター教授の厚意に感謝し、また、教授の長年にわたる競争戦略の研究への熱意を支持するために、競争戦略の理論と実践を日本に広めるための賞を創設することを提案したのです。

ICSの詳細についてはこちらをご覧ください。

ポーター賞は他の賞と何が違うのか

ポーター賞は、独自性のある戦略によって競争に成功した日本企業や事業部に贈られます。

戦略の本質は他者と違うことをすることです。したがって、製品やプロセス、マネジメント手法におけるイノベーションを起こすことによって独自性のある価値を提供し、その業界におけるユニークな方法で競争することを意図的に選択した企業や事業を評価します。戦略とイノベーションにのみ注目している点が日本にある他の多くの賞との違いです。

各国のポーター賞

(ハーバード・ビジネススクールの公式サイト)

第24回 ポーター賞 応募期間

2024年5月 7日(火)〜 6月 3日(月)
上記応募期間中に応募用紙をお送りください。
PAGETOP

主催

Hitotsubashi ICS 一橋大学大学院 国際企業戦略研究科
一橋ビジネススクール
国際企業戦略専攻
― 企業人材育成プログラム ―

協賛

三菱UFJモルガン・スタンレー証券
KPMG

関連組織

一橋大学
HITOTSUBASHI UNIVERSITY BUSINESS SCHOOL