募集概要

募集対象

応募資格は日本企業に限定されています。日本発の戦略を展開している外資系企業には例外的に応募資格があります。
※ その理由は、ポーター賞が、日本企業を業務の効率性による競争から戦略による競争へと促すことによって、日本企業の競争力を強化することを目的に創設されたからです。
ポーター教授の言葉を引用すれば、「日本企業の業績を悪化させている相互破壊的な競争から抜け出すためには、日本企業は戦略というものを学ばなければならない」のです。

応募単位

ポーター賞は、「事業」を単位とした応募となります。
(1) 一つの産業でのみ活動している、あるいは一つの事業しかもたない企業の場合には、企業としての応募となります。
(2) 複数事業を持つ企業の場合には、一つの事業(部門)として応募してください。事業の定義は、監査の対象となる財務諸表において使われている分類とします。
同じ企業から複数の事業が応募することは可能です。
具体的な例を挙げれば、(1)には小型モーターを唯一の事業範囲とするマブチモーターが該当し、(2)にはキヤノンのレンズ事業が該当します。
※ ポーター賞が「事業」を評価の単位とするのは、業界が戦略の核となるレベルであり、業界の収益性が決まり、競争優位が獲得されたり、失われたりする場所だからです。

審査プロセス

選考プロセスは2段階です。

第一次審査は、応募書類に基づいて行い、10ほどの企業・事業部が第二次審査に進みます。
第二次審査は、戦略の独自性と優位性をより踏み込んで審査するため、新たな資料を提出していただき、また、書類では不足する情報を補うためインタビューを行い、受賞企業・事業(最大4社まで)が選ばれます。
時期 プロセス
5月〜 第一次審査
7月〜 第二次審査
10月末頃 受賞企業発表
12月始頃 受賞式・カンファレンス

審査基準

第一次審査

優れた収益性

優れた戦略は持続的な収益性によって証明されます。持続的な収益性を測定することによってのみ、その戦略が真の経済価値を生み出しているかどうかを確認することができます。この賞を獲得するためには、企業は業界において優れた収益性を証明しなければなりません。各事業のROAとROSが業界平均に対してどの程度優れているのか、その優位性が過去5年間維持されているのかが評価されます。その戦略が実践され、収益に効果が現れているか評価するためにも5年間は必要と考えるからです。

価値の独自性

企業の戦略は、競争相手が提供しているのとは異なるバリュー・プロポジション(一連の価値)を提供できるものでなければなりません。つまり、戦略とは、あらゆる場合においても最善なただ一つの競争の仕方を追求することでも、あらゆる全てのものを全ての顧客に提供しようと努力するものでもないということです。戦略は、自社独自の価値を、特定の用途に合わせて、あるいは特定の顧客層に合わせて提供するような競争の仕方を定義するものです。

戦略の一貫性

優れた戦略は、方向性の継続を必要とします。戦略の継続なしには、企業が特有のスキルや資産を発展させたり、顧客からのよい評価を築いたり、従業員の行動を方向付けることは不可能です。戦略の継続性と絶え間ない改善は同時に達成できます。明確な戦略があることによって変化をより素早く、効果的に起こすことができるのです。

イノベーション

特色のある企業になるためには、製品、プロセス、経営手法におけるイノベーションが必要となります。企業は初期段階で新しい道を開くだけでなく、イノベーションによって継続的に戦略を深め、強化する能力を示さなければなりません。それにより、企業の競争優位はより強まり、より安定的なものになります。

第二次審査

資本の効率的な利用

第二次審査では、収益性を測る指標としてROIC(Return On Invested Capital、対投下資本利益率)を評価します。ROICを評価するにあたり、標準的な枠組みであるDuPontフォーミュラを採用します。 DuPontフォーミュラによって、ROICを売上高営業利益率と投下資本回転率に分解することができます。さらにより細かくその構造を分析することにより、戦略が活動レベルでどのように財務的に表れるかを確認することができます。競争に勝つ企業や事業は、競争相手よりも資本を効率的に利用します。これまで、資本の効率的な利用は日本企業の大きな弱点の一つでした。
ROICが業界平均に対してどの程度優れているのか、その優位性が過去5年間維持されているのかが評価されます。その戦略が実践され、収益に効果が現れているか評価するためにも5年間は必要と考えるからです。実際提出いただくデータは、年度末の数値の平均をとりますので、6年分提出いただくことになります。

独自のバリューチェーン

効果的な戦略は、自社独自のバリューチェーンに反映されていなければなりません。持続的な競争優位を確立するには、企業は競合他社と異なる活動を行うか、あるいは類似の活動を別のやり方で行わなければなりません。企業は、製造、ロジスティックス、サービスの提供、マーケティング、人的資源管理などをライバルと違うやり方で組み合わせ、それが独自のバリュー・プロポジションの実現に適するような形に整えなければなりません。

トレードオフ

維持可能な戦略には「トレードオフ」が伴います。ある部分で独自性を出そうとすれば、他の製品機能やサービス、活動は放棄しなければならないということです。このようなトレードオフが企業を真の意味で独特なものにします。あらゆるものをあらゆる顧客に提供しようとしても、何の競争優位も得ることはできません。企業は「何をしないか」を選択する必要があります。

活動間のフィット

効果的な戦略は、バリューチェーンの中の、様々な活動間におけるフィット(調和)を必要とします。このフィットにより、企業の活動は互いに強化しあうことができます。例えば、優れた製品設計はアフターサービスをより効率的なものにすることができます。活動間のフィットによって競争優位が強化されるだけでなく、優位性がより模倣しにくいものになります。

審査委員会

ポーター賞の審査は、競争戦略論に詳しい学識者数名から構成された審査委員会が行います。審査委員会は独立した立場を保ち、氏名は公表していません。

守秘義務

ポーター賞応募の過程で提供された情報は、ポーター賞審査の目的以外には利用せず、また、事前に応募企業の了解なく公表されることはありません。
PAGETOP

主催

Hitotsubashi ICS 一橋大学大学院 国際企業戦略研究科
一橋ビジネススクール
国際企業戦略専攻
― 企業人材育成プログラム ―

協賛

三菱UFJモルガン・スタンレー証券

関連組織

一橋大学
HITOTSUBASHI UNIVERSITY BUSINESS SCHOOL