受賞企業・事業レポート

株式会社トリドールホールディングス 丸亀製麺事業(株式会社丸亀製麺)

2020年度 第20回ポーター賞受賞 外食チェーン店運営(主にうどん業態)
打ち立て茹でたての讃岐うどん専門店、「丸亀製麺」を運営。国内862店舗、海外228店舗(2020年10月現在、同社ホームページより)。 うどんとトッピングにメニューを特化。手ごろな価格、本格的な味、臨場感、提供スピードが速いという、新しい価値提供の組み合わせを実現。 平均顧客単価570円と手ごろな価格帯ながら、国産小麦のみを使用、全店で毎日うどんを打ち、茹でたてで供する、時間と共に味と香りが変わりやすいだしは一日に何度かひくなど、おいしさにこだわる。オープンキッチンで、うどんを茹でる様子などを間近に感じることができる。セルフサービス式でトッピングを選ぶ仕組みのため、多少の列ができていても実際の待ち時間は短く、また、席の回転も速い。 従業員教育、モニタリング、権限移譲の組み合わせで、店に分散したオペレーションの品質確保と現地適応を両立。国内店舗は直営店のみ。
※本稿は、受賞企業の応募資料、受賞企業へのインタビュー、公表資料に基づいて、一橋ビジネススクール教授 大薗恵美と株式会社トリドールホールディングス経営戦略本部経営企画室IR担当 小野正誉が執筆した。受賞企業の応諾を得て公開している。

業界背景

2020_Tridoll_photo.png 外食産業の市場規模は、1997年をピークに減少傾向に転じた。しかし、2011年に底を打った後、2020に入って新型コロナ流行による外出自粛の影響を受けるまでは微増傾向にあった(*1)。しかし、需要サイドにおける大きな流れとしては、外食産業に負の影響がある要因がいくつか顕在化している。まず、2008年に総人口がピークを打った後減少しており、次に、高齢化が進行している。また、スーパーやコンビニエンスストアの総菜の品ぞろえ充実による「中食」カテゴリーの強化や、自ら自宅で食事を用意して食べる「内食」という代替手段の存在により、景気が悪化した時に負の影響を受けやすいという特徴も持つ。半面、景気の回復は外食需要を増加させる傾向がある。また、2013年くらいから本格化した外国人観光客の増加は需要サイドにおける需要増の要因であった(*2)。

これら需要サイドの課題に加えて、供給サイドにおいては、人手不足(*3)と人件費の高騰、経営を圧迫するようになってきていた。24時間営業から完全撤退するファミリーレストランチェーンが現れたり、店へのロボットの試験的な導入が行われ始めていた。

外食産業は規模の経済が利きにくいため集中化が進みにくく、多数のプレイヤーが存在するが、それでも、多店舗展開するレストラン・チェーンの存在は徐々に拡大してきていた(*4)。多くのレストラン・チェーンは、店舗における人件費を削減するため、また、味の均一化を図るため、セントラルキッチンにおいてできる限りの調理を済ませ、店舗での調理作業を最小化する努力をしていた。

(*1) 一般社団法人、日本フードサービス協会、「JF外食産業市場動向調査」。http://www.jfnet.or.jp/data/data_c.html(最終検索日、2020年11月25日)
(*2) 日本政府観光局によれば、2019年の年間訪日客数は三千二百万人弱であった。年間訪日客数は2013年に一千万人を超え、2015年には出国日本人数を上回った。https://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/visitor_trends/index.html(最終検索日、2020年11月25日)
(*3) 2019年平均の有効求人倍率は1.60倍で、ピークだった2018年平均より0.01ポイント低下した者の高い水準にあった。厚生労働省、プレスリリース、2020年1月31日。。https://www.mhlw.go.jp/content/11602000/000594247.pdf(最終検索日、2020年11月25日)
(*4) 厚生労働省医薬・生活衛生局 生活衛生・食品安全部生活衛生課調査係、2016、「飲食店営業(一般食堂)の実態と経営改善の方策」、https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000169249.pdf(最終検索日、2020年11月25日)

ユニークな価値提供

丸亀製麺は讃岐うどんに特化したレストラン・チェーンで、メニューはうどんとトッピングに特化している。具体的には、うどん、サイドメニューとしての天ぷらをはじめ、おむすび、いなりずしなどの限られた米飯メニューしかない。しかし、うどんのメニューは幅広く、讃岐うどんの典型である釜揚げうどん、ぶっかけうどん、かけうどん、カレーうどん、肉うどんなど約16種類が提供されている(2020年11月時点(*5))。

丸亀製麺の価値提供の特徴は、手ごろな価格、本格的な味、臨場感、提供スピードが速いという、ユニークな組み合わせを実現した事だ。

価格は釜揚げうどんが290円、他のうどんメニューも300円?400円台が大半で、トッピングも含め平均客単価は570円だ。食材にこだわった期間限定のフェアメニューでも600円台で提供している。この価格は、個人経営のうどん店より安く、むしろファーストフード店のランチ価格と同水準である。

低価格でありながら、丸亀製麺は、本格的な味を実現している。まず、うどん生地をつくるための材料だが、国産の小麦粉と水と塩のみを使用し、保存料や添加物などは加えない。次に、できたてへのこだわり。全ての店で粉から麺を作っており、作り置きをせず、できたてのみを提供している。生地を熟成させる時間を含め、その日の温度、湿度によって各店で状況の応じ、安定した品質で麺を作っている。讃岐うどんの湯で時間は15分ほど必要だが、熟練のパート・アルバイト(同社では、「パートナー」と呼ぶ。以下、パートナー)が来客数を予測し、適量のうどんを茹でているので、お客様を待たせることなく常に茹でたてのうどんを提供することができる。茹でてすぐのうどんは角ばっており、四方がくびれている。真ん中あたりにほんのり芯が残り、これが讃岐うどん独特の弾力のある強いコシを生み、もちもちした独自の食感がある。うどんのつゆに使われるだしについても、引きたてのだしの香り豊かな風味はすぐに飛んでしまうので、1度に大量に仕込まず、店で引く回数を増やしている。サイドメニューやトッピングも店内で手作りされる。天ぷらは店内で衣をつけ、その場で揚げたてを提供、おむすびも国産米を店で炊き、握る。できたてを供するため、おむすびや天ぷらも陳列する時間を厳守している。

臨場感。丸亀製麺は、視覚や聴覚、嗅覚といった五感全体で、湯気と熱気が立ち込める製麺所でできたてを食べるような体験を提供している。店の入口には小麦粉の入った袋が山積みされており、店で小麦粉から生地を作っていることや国産小麦100%であることが分かる。キッチンはガラス張りで、店に入ってすぐの場所に熟成庫や製麺機が配置されており、小麦の香りがただよう中、麺を伸ばしたり切ったりしている製麺工程を見ることができる。調理する工程も見えるようになっており、大釜から湯気が立ち込める中でうどんを茹でている様子、てんぷらを揚げている様子、お客様の目の前でおむすびを握り、注文を受けてから調理する様子も見ることができる。

最後に、提供スピードの速さ。丸亀製麺では、お客様が注文カウンターに並んでうどんを注文し、好きなサイドメニューや薬味を自分で取って食べる製麺所のセルフ型を再現している。うどんの他にもサイドメニューの天ぷらやおむすびが選べ、トッピングの天かすやねぎ、しょうがは取り放題だ。トッピングやご飯ものを組み合わる事で、お客様独自にカスタマイズすることができるが、豊富な選択肢からお客様が自分で選んでトレイに載せるので、着席式のレストランで行われているように、注文を取ってそれに応じて配膳する、というプロセスと比べて非常に効率的だ。注文カウンターに多少の列ができていても、その流れが速いので、待ち時間は非常に短い。

丸亀製麺の顧客層は幅広い。短時間で食事ができるのでオフィス街の店では、仕事のランチタイムの顧客を惹きつけている。郊外の店では、子連れの家族やお年寄りなどのファミリー層にも応えている。うどんの量やトッピングでボリューム感を調整できる事も、性別や年齢層に関係なく幅広い顧客を惹きつけられる理由の一つだ。

(*5)丸亀製麺ウエブサイト、https://www.marugame-seimen.com/menu/(最終検索日、2020年11月25日)

独自のバリューチェーン

丸亀製麺のバリューチェーンの最大の特徴は、店舗オペレーション、教育、店舗開発にある。

商品開発
季節に合わせた旬の食材を用いた期間限定のフェアメニューを45日という周期で開発、販売しており、新規顧客の開拓やリピーターに対しての来店動機に繋げている。

海外店舗では、その国の食習慣に合わせた商品の調整を行っている。うどんのだしは特に、現地の食文化に合わせて、濃さや風味、温度の調整を行う。たとえば、アメリカでは豚骨スープを用い、タイではトムヤムスープを用いる。また、薬味も、パクチーや唐辛子に変更している。日本食としての讃岐うどんの特徴を維持しつつ、現地消費者に支持されるよう、ローカライズしたメニューを開発している。

調達
丸亀製麺で使用する食材は、トリドールホールディングスがグループ企業全体の食材を一括で購入することで、高品質な食材を低コストで調達することが可能になっている。うどんは小麦粉、水、塩だけで作るシンプルなものであるため、厳選した安心・安全な材料にこだわる。特にうどんの美味しさの決め手となる小麦は、すべて国産を使用。また、一括調達する事で安定的に安価で調達することができる。

店舗開発
開業以来国内は直営店方式。理念の浸透やうどん技術習得に重きを置き、1店舗ずつ丁寧に育てていく方針。

創業時にショッピングモールのフードコートで立ち上げに成功した後、郊外のロードサイド店を中心に展開してきた。近年、厨房のコンパクト化を実現し、都心エリアに狭小タイプ店舗を展開。同タイプの店舗あたりの月商は通常の約1.3倍で、利益においても高い水準を維持している。

店舗運営
店舗運営は、店舗での調理と、店舗と本部が行う品質管理に分けられる。

店舗は讃岐の製麺所の光景を再現するため、店内には製麺機や大釜を配備。麺を打っているところや湯気が立ちこもっている様子が見え、小麦の香りや天ぷらの揚がっている音など、五感で楽しめるようオープンキッチンにしている。お客様は列に並びうどんを注文した後、移動しながら注文したものが出来上がる様子が見られ臨場感も楽しめる。出汁も各店舗で毎日何度も仕込む。

それぞれの店で行われる調理の品質管理は、日々、製麺担当者が出来上がりをチェックする。気温や湿度の変化に対して微調整を行ない、麺の状態を確認したうえで、茹で時間も最適な時間に、各店で調整する。味を完全に揃えるよりも、各職人の味の個性を大事にし、打ち立て、できたての絶対的な美味しさを追求する。

同時に、数時間ごとに品質、サービス、清潔のチェックなどを行っている。パートナーの体温測定や冷蔵庫の中身の様子、だしの温度管理などもシステムで管理している。また、店舗には数台のカメラが設置されており、専門部隊がオペレーション等のチェックを行っており、店舗の状況も把握できるようになっている。さらには定期的に麺匠が店を訪れ、品質を検証する。

店舗のバックオフィス業務の多くはタブレットで完結可能。

マーケティング
すべての店で粉からうどんを作り、できたてのおいしさを提供している事への認知度を更に高めるためにマーケティング投資を行っている。19年1月からテレビCMで、「すべての店で、粉からつくる。」、「ここのうどんは、生きている。」というコピーのもと、丸亀製麺でしか味わえない魅力を訴求。その結果、ブランド認知率が前年比5%上昇(86.5%→91.9%)、月一回利用のライトユーザーが前年比15%増加するなど、効果が出ている。

人的資源管理
丸亀製麺では中高年を中心に採用しており、卒業などを理由に学生アルバイトが数年で入れ替わらざるを得ないのと対照的に、長く定着してくれる傾向がある。特に、普段から料理をしている主婦は、短時間で技術習得が可能。また、地元の旬の食材や調理方法を熟知しているので、ごぼう天ぷらやゴーヤかき揚げといった地元の食材を使った地域限定メニューを提案し、それが採用されることもある。地域のイベント情報にも詳しいので来客数予測にも貢献できる。このように現場からのアイデアを積極的に吸い上げる仕組みを作ることで、店舗運営に参加しているといった意識が高まり、それが長く働きたいというモチベーションに繋がる。

未経験でも調理・接客が行えるよう、仕事内容は各工程ですべてマニュアル化されており、短期間で習得できるような工夫がされている。小麦粉の袋の開け方や、空になった袋の扱い方まで、基本的なことから丁寧に教える。同時に、マニュアルで細かく定めすぎず、自ら考えて行動することを基本としており、目の前のお客様に対して臨機応変に対応すること、自分たちで創意工夫することが求められる。

全国にある店舗で働く従業員の教育のため、クリップラインという教育ツールを利用し、個人のタスクを設定したり、動画などを活用している。マニュアルとして明文化するだけでなく、麺の水切りの仕方や持ち場の備品配置など、文章では理解しにくい事も動画として配信することにより理解度を高め、短期間での育成を可能にしている。

麺の職人制度が設けられている。技術向上だけでなく、プロフェッショナルを目指す環境を整え、働く人のモチベーションを高めるために設けられた制度だ。「麺職人制度」麺職人に認定されるためには、小麦粉や水、塩に関する知識から、おいしいうどんが出来るメカニズム、うどんづくりに欠かせない人の手で調整する感覚、茹で加減や茹で上がった麺の締め方など、うどんに関するあらゆることを習得する必要がある。うどんは、小麦粉、水、塩とシンプルな素材で出来ているため、気温や湿度によって味がぶれやすい。したがって、小麦粉、水、塩の分量を、その日の気温や湿度に合わせて調整して作る必要がある。繊細で、各店舗で手作りだと更に味のばらつきが出やすい。そのばらつきを減らし、よりおいしいうどんを供するために設けられた。麺職人は、紺色の襟がついたユニフォームを着、紺色の帽子をかぶっており、店には麺職人の名前を書かれた看板が掲げられている。麺職人には一つ星から四つ星までランクがあり、現在一つ星410名、二つ星1名、三つ星0名、四つ星0名(2020年9月末時点)。

丸亀製麺における最も高いレベルの職人は、麺匠だ。麺匠は一人しかおらず、創業当時からの丸亀製麺の味を守っている。全国の店を訪問し、うどん、天ぷら、おむすびの味や品質を確認し、丸亀製麺における正解の味覚を伝える。うどんの味を守るために、麺の断面が真四角ではなくくびれているか、太さは揃って基準が守られているか、太さに差が出た場合に温度調整しているか、麺の洗いやコシの強さは適切か等を一つずつ丁寧に確認している。

全般管理(設備投資)
環境負荷の低減や省エネルギー化への取組の一貫として、常時稼働している茹で釜の沸騰や塩分濃度の調整について、今まで職人の経験で培ったものをデータ化し、自動制御機能の開発によって電気や水道の使用量を削減した。また、揚げカス絞り機の導入で油の再利用を可能にしたり、油ろ過機を設置して油の交換周期を伸ばすことにもつなげている。これらの設備は、清掃時の作業効率化や火傷防止といった安全性の向上にも寄与している。

活動間のフィット

丸亀製麺の活動は、讃岐うどんの製麺所でうどんを食べるような体験を店で提供するという価値提供のために、最適化されている。つまり、できたてのおいしいうどんを手ごろな価格で待たずに食べられる。

できたてを提供するために、丸亀製麺は店での製麺と調理を選択し、その価値がお客様にもよく伝わるように、オープンキッチンを選んだ。これは、小麦粉の香りや、うどんを茹でる際に立ち上る湯気、トッピングの天ぷらを揚げる音など、店の臨場感というもう一つの価値提供に直結している。うどんとサイドメニューとしての天ぷらをはじめ、おむすびや稲荷ずしなど多少のご飯ものに限定した事によって、顧客はメニューの選択に迷うことが少なく、注文レーンは迅速に進むので、待ち時間が少なくなる。同時に、材料は増えすぎず、キッチンのオペレーションも煩雑にならないので、人材の習熟が進みやすいと同時に、業務品質の管理が行いやすく、コストのコントロールも効きやすい。(本セクション最後に掲載した「トリドールホールディングス 丸亀製麺事業(株式会社丸亀製麺)の活動システム・マップ」を参照ください。)

戦略を可能にしたイノベーション

  • セントラルキッチンが主流となるレストラン・チェーン業界において、各店で粉からうどんを製麺し、茹でたてできたてのおいしいうどんを迅速に、低価格で供するという価値提供の選択。
  • 全店で高品質な料理を提供するために、全店にカメラを設置し、本社の専門部隊がオペレーションのチェックなどを行っている。「課題にそった取り組みができているか」、「天ぷらの陳列は規定の数以上できているか」、「機械が適切に稼働されているか」、「POPなど告知物は、適切な場所に置かれているか」などについて、複数のカメラで確認をし、即座に指示を出し、修正できるような体制が整っている。
  • 茹でたてのうどんを供するために店ごとに需要を予測する仕組みを開発。
  • 麺匠制度、麺職人制度
  • 茹で釜の自動制御機能を開発。品質のばらつきを抑え、現場の負担を減らすと同時に、省エネルギー化を実現。令和元年度省エネ大賞の省エネ事例部門において、最高賞にあたる「経済産業大臣賞」を受賞。従来、丸亀製麺の各店舗のうどんを茹でる調理工程において茹で釜の沸騰や塩分濃度の調整は、従業員の経験に委ねられており、そのため、必要量以上の電気とお湯が使用され、過剰な沸騰・放熱が発生している状況が散見されていた。中部電力株式会社、ニチワ電機株式会社の3社で共同開発した茹で釜は、従業員の経験で培ってきたものをデータ化し、ヒーターの出力と釜への湯の投入量を最適な状態に自動制御することが可能。検証店舗での実証実験では、電気使用量31.3%、水道使用量47.6%削減。

トレードオフ

  • セントラルキッチンを持たない。セントラルキッチンのもたらす集中化による規模の経済を追求しない。丸亀製麺はできたてを供することを重視し、あえて各店に分散し、重複する工程を選択する。これは同時に、集中化した場合よりも、より多くの人件費や教育費が必要になる。また、各店に製麺機を置くため初期費用がより多く必要となり、各店で大釜を常時稼働させため、水道光熱費が通常の飲食店より多く必要となる。店舗スペースも、売り上げに直結しないキッチンスペースにより多くを割く必要がある。
  • 特定地域に集中出店するドミナント出店方式を取らない。丸亀製麺はセントラルキッチンを持たないため、セントラルキッチンの近隣エリアにドミナント出店する必要がない。
  • フランチャイズ方式で展開をしない。フランチャイズ方式を取れば、出店コストや調達コスト低減につながるが、丸亀製麺は、理念やこだわりを浸透させ、品質を守ることを重視し、技術をきちんと学んでもらうために直営方式で展開する。
  • 海外産小麦を使用しない。海外産小麦は製麺しやすく、生地の持ちが良いが、丸亀製麺は、小麦の強い香りを楽しめるので国産小麦を使用する。国産小麦は強い香りが特徴だが、高い製麺技術が求められる。
  • うどんを作り置きしない。セントラルキッチンでつくった冷凍麺やチルド麺を店でさっと茹でるだけだとコストが抑えられるが、丸亀製麺は、打ち立て、茹でたてのうどんにしか出せないもちもちとした食感を提供する。
  • 注文を受けてからうどんを茹でない。うどんを茹でるのに10?15分程度必要であり、お客様を待たせずに短時間で提供するために、来客数を予測し事前に適量のうどんを茹でることによって短時間かつ茹でたての美味しさを提供する。
  • 店舗スタッフを若者中心で採用しない。丸亀製麺では若者から中高年まで幅広く採用している。

戦略の一貫性

丸亀製麺は、2000年11月、兵庫県加古川市に第1号店を出店した。その当時から、創業者の粟田貴也氏が香川県の製麺所を訪問した際に体験した、打ち立て、できたてのうどんを提供する場面そのものをお客様に体験していただくことは一貫している。

粟田氏は、製麺所のうどんを食べに全国から人が集まるわけを次のように理解した。お客様は「体験をしにきている」ということ。目の前で茹で上がったうどんを食べる。そのシーンとあわせた体験にこそ価値がある。おいしいのはもちろんであるが、安いからとかサービスがよいから、環境が整っているからという理由で来店しているのではない。そして、この製麺所を忠実に再現できれば、お客様は喜んでくださるに違いないと確信し、何があっても「手づくり・できたて」の麺を提供することは貫く、と決めた。それが揺るぎ合い信念となり、生まれたのが丸亀製麺だ。

初期はショッピングモールのフードコートを中心に展開。打ち立て、茹でたてのうどんで顧客を捉えた。ショッピングモールのフードコートに来た顧客にリーチできるため、また、自らの店を開くよりも少ない費用で開店できたため、まだ知名度の低かった丸亀製麺には適した方法であった。次に、郊外のロードサイドに店を開店した。十分なスペースを活かし、広いオープンキッチンが設けられ、現在の形になった。その後、オフィス街や駅前の人通りの多いところに、ロードサイド店よりは面積の狭い店を開店した。メニュー数を減らすことによって、キッチンの面積が狭くなっても、店でうどんを打ち、茹でたてを供する仕組みは変わらない。

収益性

トリドールホールディングス 丸亀製麺事業(丸亀製麺株式会社)の投下資本利益率、営業利益率はともに、5年間の業界平均を大きく上回っている。(業界平均との収益性比較は、PwC Japanグループの協力を得ている。)
収益性

トリドールホールディングス 丸亀製麺事業(株式会社丸亀製麺)の活動システム・マップ

活動システム・マップ

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